はるねこです。
萩原 浩さんの「二千七百の夏と冬」を読みました。上下巻ありますが、いっきに読み終えました。感動です・・
現代と過去の物語が、交互に描かれてます。
現代の主人公は新聞記者の女性。
過去の主人公は縄文人の少年。
現代から物語は始まります。
ダム開発現場で人間の骨が発見され、調べると縄文人と判明。まだ大人になっていない、足が骨折したらしき男性です。不自然に手をまっすぐ伸ばした状態。
さらに発掘を進めると、男性の手を伸ばした先にはもうひとつの手が!
そして彼女は妊娠の痕跡があったのです。
二人は明らかに手を繋いでいました。
この二人には何があったのでしょう。そして縄文人と弥生人という特徴を持つ若い二人の物語とは?
どうですか?
読みたくなりませんか?
この作品「二千七百の夏と冬」の作者、萩原浩さんについて
埼玉県大宮市出身です。
埼玉県立大宮高等学校、成城大学を卒業。
1956年生まれなので今年64歳ですね。
広告代理店を経てフリーのコピーライターとして独立。初めて書いた長編小説「オロロ畑でつかまえて」で第十回小説すばる新人賞を受賞。
この作品「二千七百の夏と冬」では第五回山田風太郎賞を受賞しています。
萩原浩「二千七百の夏と冬」を読み終えて
胸にジーンときます。
現代と過去が交互に語られますが、過去では縄文人の少年ウルクが主人公。
その時代の食事、言語、生活などが描かれ、過去を想像することができます。
ヒグマとの闘いは迫力あり、ドキドキです。
食物をとるために使う道具を自分で工夫して作り、狩りをしているウルク。初めて武器として人間に向けて狩りの道具を使い人を殺すシーン。
やむにやまれぬ思いが、躊躇していた気持ちを超えていきます。
少年ウルクが成長していく過程で感じる思いは現代でも通じるものがあります。
もちろん恋愛も含めて・・・
もっとここで書きたいのですが、内容がばれるといけないのでやめます。
過渡期の時代。
異人種が遭遇して異文化コミュニケーション。
そして民族の対立や征服。友好的な同化・結合?
いま現在の日本人は混血?
などと考えてしまいました。
長編ですが、是非読んでください。
とってもよい作品です。
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同じ作者 萩原 浩さんの別の作品
「四度目の氷河期」を以前読んでいました。
本棚に入っているので改めて再読しようと思っています。